「間取りと妄想」大竹昭子著

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 不動産屋の窓に並ぶさまざまな間取り図や、広告のチラシに描かれた家の間取り図がふと目に入り、そこに住んだらどんな生活を送ることになるのだろうと、つい考えてしまうことはないだろうか。

 そんなさまざまな間取りから想起される、妄想のような物語が収録されているのが本書だ。

 たとえば、ぺナント形の旗竿地に建てられた三角形の住まい。玄関を開けるとまるでトンネルのような廊下が真っすぐ延びている。下に川が流れているので、廊下が橋の役割をも担っているという変わり種。

 巻頭の「船の舳先にいるような」では、そんな変形地に引かれ、夢中になって図面を引いた主人公の高揚した気持ちが伝わってくる。ほかにも、左右対称の家に住む双子の話「ふたごの家」、窓の位置が思わぬ波紋を呼ぶ2世帯住宅を描いた「浴室と柿の木」など、全13編の短編小説が間取りとともに収録されている。

 物語を読みつつ、それぞれの風変わりな間取りを何度も確認したくなること必至。(亜紀書房 1400円+税)

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