「マル暴捜査」今井良著
暴力団の壊滅を目指す、警視庁の組織犯罪対策部、通称「組対(ソタイ)」の捜査の最前線を取材したリポート。
暴力団犯罪などに対処するため、警視庁は2003年に組織を改編して、1000人近い要員をつぎ込んで組対を設置。暴力団対策法の副作用によって従来の暴力団捜査が通用しなくなるとともに、激増する外国人犯罪への対処がその背景にあったという。その組織の概要から、プロ野球の選手が逮捕された野球賭博事件や暴力団の新たなビジネスモデルとなった療養費の不正請求事件、そして特殊詐欺事件などの組対4課の捜査の実際を紹介。さらに薬物使用で元プロ野球選手を逮捕した組対5課の現場など、全国の暴力団捜査の先頭を走る集団の素顔に迫る。(新潮社 720円+税)