「老老戦記」清水義範著
54歳の源吾は、自宅を改装してグループホームを開設。現在、7人の老人が入所している。徘徊(はいかい)などの重症者はいないが、それぞれに老人特有の症状はある。
ある日、ほかのホームとの対抗クイズ大会が開かれることになり、自称知性派の田所は張り切るが、大会はボケた解答をする老人たちをバカにするために開かれるという介護士の噂話を耳にして激怒。仲間たちとわざとトンチンカンな解答をしてやろうと示し合わせる。大会当日、田所たちのペースに巻き込まれ、相手チームもトンチンカンな解答を連発。痛快な気分を味わった田所たちは元気を取り戻し、次は海外旅行に出かけてみようと盛り上がる。
登場人物の行動が次第にエスカレートしていく過激な老人小説。
(新潮社 520円+税)