「酒場っ子」パリッコ著
知らない町の外観からはメニューも値段もうかがい知れないような古い大衆酒場を愛する著者による酒場探訪エッセー。
初めて降りた京王線・笹塚駅の住宅街で見つけた焼き鳥屋「井口」。まずは「あっさりキャベツ」でホッピーを飲みながらメニューを吟味。注文した限定品らしき「白レバー焼き」(380円)の未体験の味と食感に脳天を撃ち抜かれたような衝撃を受ける。基本の焼き鳥も一本の串の中に味わいの変化が生まれるように工夫され、期待以上の店だった。
その他、大衆酒場の奥深さを教えてくれた高円寺「大将」、90歳の看板娘のヤエさんが調理してくれる吉祥寺の「まるけん食堂」、究極の湯上がりの一杯が楽しめる食堂併設の中村橋「貫井浴場」など40店を飲み歩く。
(スタンド・ブックス 1500円+税)