「おじさん酒場」山田真由美著 なかむらるみ絵

公開日: 更新日:

 著者は渋谷の大衆立ち飲み酒場「冨士屋本店」で友人と飲んでいたとき、勤め人風のおじさんに声をかけられた。おじさんは18歳だった昭和46年からこの店に通っている。「大学生だったから、安くて腹いっぱいになって酒が飲める店はありがたかったなあ」。途中、水割り1杯で1万円くらい取る飲み屋の女に入れあげたときもあったが、目が覚めて戻ってきたという。「お先に」と店を出る頃、「出会いは絶景である」という、俳人・永田耕衣の言葉を思い出した。

 ほかに、不登校になりかけた生徒と校庭の片隅で作ったナスをくれた名門高校教師のおじさんなど、「そこに居るだけで店のおさまりがよくなるおじさん」の居る居酒屋25軒にご案内。

(亜紀書房 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    眞子さん極秘出産で小室圭さんついにパパに…秋篠宮ご夫妻に初孫誕生で注目される「第一子の性別」

  2. 2

    1年ぶりNHKレギュラー復活「ブラタモリ」が好調も…心配な観光番組化、案内役とのやり取りにも無理が

  3. 3

    大リストラの日産自動車に社外取締役8人が「居座り」の仰天…責任問う大合唱が止まらない

  4. 4

    芳根京子“1人勝ち”ムード…昭和新婚ラブコメ『めおと日和』大絶賛の裏に芸能界スキャンダル続きへのウンザリ感

  5. 5

    所属先が突然の活動休止…体操金メダリストの兄と28年ロス五輪目指す弟が苦難を激白

  1. 6

    国民民主党・玉木代表は今もって家庭も職場も大炎上中…「離婚の危機」と文春砲

  2. 7

    「嵐」解散ツアーは売り上げ500億円? オイオイ、どんだけ儲けるつもりだよ

  3. 8

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  4. 9

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  5. 10

    「キャロル」でのジョニー大倉の先見性とボーカルはもっと評価すべき