「ふしぎな社会」橋爪大三郎著
社会学は、社会で生きていくときに誰もがぶつかる諸問題について考察する。ゆえに他の学問のようなきれいな法則は取り出せないが、社会を生きる人間の真実の姿の一番深いところまで考えることができるという。取り扱うテーマが複雑多岐にわたる社会学の一端を分かりやすく解説した入門書。
まずは社会と密接な関係にある言語について。言語を操ることができるのは人間だけの能力で、人間は言語を使うことによって社会をつくることが可能になった。その理由を、言語が持つさまざまな性質を取り上げながら解説。その他、「人民から国にあてた手紙」だという憲法にはじまり、貨幣や戦争、性や結婚、そして死や幸福などの深遠な学問テーマを、社会学的視点から語り尽くす。
(筑摩書房 880円)