「江戸とアバター」池上英子、田中優子著

公開日: 更新日:

 江戸社会と現代の仮想世界の意外な相似形を明らかにしながら、役割に固執し自己同一性の呪縛にとらわれた日本人に本来のしなやかな生き方への回帰を促す論考集。

 米国在住の歴史社会学者の池上氏は、俳諧師・画家・思想家であり藩士でもあった渡辺崋山と、京都の絵師・横山崋山という東西の崋山の生き方を例に、江戸はユニバースを超えた「マルチ・バース」(多元的社会)であり、江戸人はアバター(キャラクター)を切り替えながら生きていたと説く。さらに落語を究極の「アバター芸」だという氏は、落語家の柳家花緑氏とも対談。

 一方の田中氏は、江戸時代の人々がアバターを多用自在に展開することで江戸文化を形成していたことを明らかにしながら、江戸精神の神髄に迫る。

(朝日新聞出版 890円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TBS「ラヴィット!」の“テコ入れ”に不評の嵐! グダグダぶりを楽しむ独自性損失で視聴者離れ加速危機

  2. 2

    「おい、おまえ、生意気なんだよ」 野村監督は俺の挨拶を“ガン無視”、暴れたろうかと考えた

  3. 3

    「オールスター感謝祭」で“ブチギレ説教” …島崎和歌子は今や「第2の和田アキ子」の域

  4. 4

    NHK朝ドラ「風、薫る」巻き返しを阻む“最大のネック”…見上愛&上坂樹里Wヒロインでも苦戦中

  5. 5

    米国とイランが2週間の停戦合意も日本は存在感ゼロ…お粗末すぎた高市外交を識者「完全失敗」とバッサリ

  1. 6

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  2. 7

    高市政権が非情の“病人切り捨て”強行で大炎上! 高額療養費見直し「患者の意向に沿う」は真っ赤なウソ

  3. 8

    ブチ切れ高市首相が「誤報だ!」連発 メディア、官邸、自民党内…渡る政界は「敵ばかり」の自業自得

  4. 9

    JFAは森保一氏の“囲い込み”に必死 W杯後の「次の日本代表監督」のウワサが聞こえない謎解き

  5. 10

    『エニイ・タイム・アット・オール』1964年のジョンのギターを聴くだけで元気が出る