「音楽が聴けなくなる日」宮台真司ほか著

公開日: 更新日:

 昨年、ピエール瀧氏が麻薬取締法違反の疑いで逮捕された。その翌日、所属レーベルは彼がメンバーとして加わるバンド「電気グルーヴ」のすべての音源・映像の出荷停止、在庫回収、配信停止を発表。サブスクリプション(定額聴き放題)のサービスからも彼らの楽曲は一斉に消えた。

 社会学者の永田夏来氏らは困る人がいないのにわざわざ自粛するこの「異常な事態」に疑問を抱き、問題提起のための署名活動を展開し、多くの賛同者を得た。平成以降、このような「自縛的になり、画一的な決定をする」現象としての自粛が目立つという。

 今回の騒動と、過去の音楽家自粛の歴史を振り返りながら、社会学で「再帰性」と呼ばれるこの現象と自粛のあり方について考察する。

(集英社 820円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」