テレビの生放送から火がついたユリ・ゲラー現象

公開日: 更新日:

 司会の三木鮎郎は「壊れた時計やスプーンをテレビの前に持ってくるように」と視聴者に呼びかける。三木は自宅から古時計を、アシスタントの児島美ゆきはスプーンをスタジオに用意した。

 スタジオに設置されていた16台の電話の呼び出し音がけたたましく鳴り響く。「時計が動いた」という電話が、じゃんじゃんかかってくる。中には「傘の骨が曲がってしまった」「子供の風邪が治った」「むち打ち症が治った」などというものもあった。電話の嵐は翌朝まで続き、管轄の九段電話局の電話交換機のヒューズが飛んでしまうほどだった。

 三木の古時計も動いたが、児島のスプーンは曲がらなかった。視聴者からの電話でもスプーンやフォークが曲がったというのは少なかった。大反響に見えた電話の嵐だっだが、何も起こらなかったという抗議の電話も相当、含まれていた。

 これらのことからトリック説がわき上がる。時計メーカーはブラウン管に近づけると、テレビの磁力で時計の針が動くことがあると週刊誌にコメントを寄せた。

 また、壊れた機械に衝撃や振動を与えると直るのはよくあること、しまっていた時計を動かしたことで直ったのではないか……。それがたとえ数百分の1の確率でも数千万の視聴者がいれば、かなりの数の時計が動いても当たり前と指摘する識者もいて、賛否両論の大論争を呼んだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾