退院に合わせて車いすを購入する際に大切なポイントは?
前回お話ししたように、麻痺などがある患者さんがリハビリのために入院する際は、車いす業者に入院前に依頼した車いすをレンタルして、患者さんに提供します。そして、退院時にすべての車いすは業者に返却します。
入院後には、患者さんの身体計測をしっかり行ったうえで、その患者さんにフィットした最適な車いすになるようパーツを組み替えるなどして調整します。患者さんの体格や症状はひとりひとり違うので、車いすのフィッティングによって、入院生活の快適さや回復の度合いが大きく変わってくるのです。
患者さんが回復するためには、昼間は起きて、座って、立って、歩くことが重要です。車いすが必要な患者さんの場合、起きている時間は車いすに座って過ごす時間がいちばん長いため、車いすがフィットしていなければ、快適な姿勢や移動を行うことができずに、不自由な入院生活になってしまいます。
また、車いすは患者さんが自分で動く=移動するために重要な用具です。たとえば、歩くことができない患者さんでも、車いすがフィットしていて快適な姿勢のままきちんと漕ぐことができれば、自分が「行きたい」と感じたタイミングでひとりでトイレに行くことができます。一方、患者さんの体格にフィットしていない車いすでは、自分できちんと漕ぐことができないため、ひとりでトイレに行くことができず、どうしても介助が必要になります。