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一雫ライオン作家

1973年、東京都出身。明治大学政治経済学部2部中退。俳優としての活動を経て、演劇ユニット「東京深夜舞台」を結成後、脚本家に。数多くの作品の脚本を担当後、2017年に「ダー・天使」で小説家デビュー。21年に刊行した「二人の嘘」が話題となりベストセラーに。著書に「スノーマン」「流氷の果て」などがある。

(56)上がって。なにもないけど

公開日: 更新日:
イラスト・宮坂猛

「ここだよ」

 ユキという女が案内してくれたマンションは、BARからほど近いところにあった。マンションといっても三階建てのちいさな造りで、もちろん高級マンションのようなエントランスもない。階段を上り、二階の部屋に入った。

「上がって。なにもないけど」

 ワンル… 

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【連載】十二の眼

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