(56)上がって。なにもないけど

「ここだよ」
ユキという女が案内してくれたマンションは、BARからほど近いところにあった。マンションといっても三階建てのちいさな造りで、もちろん高級マンションのようなエントランスもない。階段を上り、二階の部屋に入った。
「上がって。なにもないけど」
ワンル…
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