伊勢原市立図書館(神奈川県)子どもと一緒に楽しめる学び直しの場
「暮らしやすさ実感都市」──。神奈川県の中央に位置する伊勢原市はうたい文句通り、東京・新宿から電車で60分の自然豊かなベッドタウン。北西に市のシンボル「大山」がそびえ、県内有数の観光地である小田原・箱根、湘南・江の島、鎌倉へのアクセスも良好だ。江戸城築城で知られる武将・太田道灌のゆかりの地でもある。
そんな伊勢原の市立図書館は、子ども科学館との複合施設。バブル後期の1989年4月、「市の文化シンボル」との願いが込められてオープンした。
「当館を設計してくださったのが横浜市出身の建築家・仙田満さんです。1、2階は図書館、2、3階は科学館として、2階に図書館と科学館の共有スペースを設けるような形で造っていただきました」(事業運営係・若林千容係長)
仙田氏は「日本一美しい図書館」と称される国際教養大中嶋記念図書館(秋田県)を設計。日本建築家協会賞や国際建築賞などを受賞している名建築家だ。
基本的に1階が一般書、2階に児童書が置かれている。1階には図書館としては珍しい「たたみコーナー」がある。
「誰でもご利用できますが、大活字本をご利用いただく方や自習される方が多い印象です。どの時間帯も1~2人は座って大活字本や一般図書の文庫本などを読んでいらっしゃいますね。お子さん向けには2階の児童書架に読み聞かせを行うクッションフロアの『おはなしのへや』があります」(若林千容係長)