ドジャース大谷翔平がダルとの対戦で見せた“変節”…「三振or本塁打」から「チーム打撃」へ
大谷翔平(31=ドジャース)は基本的に個人主義者だ。
クチでは「チームの勝利が最優先」などと言いながら、得点機にボール球を振って空振り三振に打ち取られたケースは枚挙にいとまがない。
例えば今月11日のブルージェイズ戦。1点を追う九回1死満塁、一打サヨナラの好機で空振り三振。低めボール球のスライダーに手を出し、バットは空を切った。
これにはロバーツ監督も怒り心頭。「球がすごく速い投手ではなかったので、しっかりフィールドに打ち返さなければならない。低めのボール球を振るのはいけない。まさか三振するとは思わなかった」とボヤくことしきり。チャンスで、ボール球を振りにいっての三振に、ロバーツ監督が同様のセリフを吐いたケースは数知れない。
「投打の二刀流ゆえに体調や疲労度によって登板間隔が変わり、他の先発のローテにズレが生じることがある。野手が休養するためのポジションであるDHも独占しています。大谷が二刀流をやることによるシワ寄せが生じているのは事実ですけど、本人は気にする様子がありません。大谷はとにかく投手として速い球を投げ、打者として打球を人より遠くに飛ばすことを最優先している」とは現地特派員だ。
そんな大谷の打撃に変化が見えたのが、ダルビッシュ有(39)と対戦した18日のパドレス戦だ。
初回の第1打席。2ストライクと追い込まれると、低めストレートをフルスイングせず、合わせにいって右前打を放って出塁したのだ。「追い込まれたら本塁打を狙うのではなく、とにかく打球を前に飛ばせ」というロバーツ監督の度重なる叱咤も右から左。とにかくバットを振り回し、極端な言い方をすれば三振か本塁打かみたいな打撃をしていた大谷が、出塁を意識したのだ。