(5)なぜ正しい「歯磨き」が脂肪肝を防ぐのか…歯周病が筋肉を脂肪に変える
あらゆる生活習慣病のキッカケとなる脂肪肝を治したいなら、しっかりした口腔ケアが必要だ。「内臓脂肪がみるみる落ちるすごい歯磨き習慣」(飛鳥新社)の著者で、「予防歯科」「食と健康」をテーマにした執筆や講演を続ける栗原丈徳歯科医師が言う。
「歯周病とは細菌感染によって引き起こされ歯茎が腫れたり、進行すると歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。通常、口腔内には数百種類の細菌、真菌、ウイルスがいて、バランスが保たれていれば悪さをしませんが、口腔ケアが不十分だったりすると、細菌の固まりである歯垢が増殖し、歯周組織に炎症が引き起こされ歯茎がやせ衰えていきます。歯周病は痛みなど自覚症状が乏しい特徴がありますが、歯を失う一番の原因なのです。しかし、歯周病は歯だけでなく、全身の疾患を引き起こす要因のひとつでもあります」
実際、歯周病はメタボリックシンドローム(通称メタボ、内臓脂肪症候群)と呼ばれる内臓脂肪が蓄積する状態を引き起こす。高血圧症、2型糖尿病、脂質異常症、動脈硬化や脳卒中、心臓病、認知症、早産など多くの病気に関係することが明らかになっている。