「谷根千 ミステリ散歩密室の中に猫がいる」東川篤哉著
「谷根千 ミステリ散歩密室の中に猫がいる」東川篤哉著
岩篠つみれは谷中にある鰯料理の店「鰯の吾郎」の看板娘だ。ある日、同級生、森山雛子の72歳の大叔母、春江が亡くなったが、雛子は、殺されたと思う、と言う。
雛子が祖父の妹である阿川春江の自宅に泊まりに行ったら、春江の甥で遊び人の三田雅彦が来ていた。真夜中に「猫の部屋」から悲鳴が聞こえたので雅彦と行ってみると、ドアに鍵がかかっている。窓も内側から施錠されていた。鍵を持ってきて開けてみると、春江が頭から血を流して倒れていて、猫が傍らにいた。
谷根千界隈で活躍している「名探偵」の竹田津優介は、つみれと阿川家を訪れ、「猫の部屋」に天窓があるのに気づいた。換気用なので斜めに少ししか開かない……。
下町の探偵が活躍するミステリー。
(KADOKAWA 1925円)