著者のコラム一覧
永尾光一一般社団法人日本精索静脈瘤協会代表理事、医療法人社団マイクロ会理事長、 銀座リプロ外科院長、東邦大学名誉教授

1960年生まれ。埼玉県出身。昭和大学で形成外科学を8年間専攻後、東邦大学で泌尿器科学を専攻。東邦大医学部泌尿器科学講座教授、医学博士・泌尿器科専門医、男性不妊治療・精索静脈瘤手術の第一人者。 一般社団法人日本精索静脈瘤協会医療法人社団マイクロ会理事長。

男性不妊の検査は産婦人科ではなく泌尿器科でしかできない理由

公開日: 更新日:

 不妊治療と聞いて、まず思い浮かぶのは産婦人科ではないだろうか。実際、多くの夫婦が不妊の悩みを抱えて最初に訪れるのは産婦人科であり、治療も女性側の検査や処置が中心となることが多い。
 しかし、WHOの調査によると、不妊症の原因の約48%は男性側にあるとされている。男性不妊の原因は泌尿器科の専門領域であり、産婦人科で行われる精液検査だけでは、原因を十分に特定できない場合も少なくない。今回は、診療科の縦割り構造が、不妊治療に影響を与える実態を取り上げる。

  ◇  ◇  ◇

 女性・男性双方の診療を行う不妊治療専門の東京・港区の芝公園かみやまクリニック院長の神山洋氏(産婦人科専門医)が精索静脈瘤と診断した患者さんを私が紹介を受け、手術を担当し自然妊娠が叶った例がある。神山洋院長はこう話す。

「女性の年齢が比較的若く、月経周期も正常で超音波検査や内診で特に異常を認めない場合に男性側の原因も疑われます。大体2-3割くらい。院内では、精巣の触診や超音波検査、ホルモン採血、EDや逆行性射精の診断まで行っています。また続発性不妊症で一人目はできたが2人目ができないケースは男性側の異常の可能性もあります。常に女性だけではなくて男性にも原因があると考えて診療することが重要だと思います」

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