著者のコラム一覧
大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

「ランボー」新作不運…ジブリ旧作トップ3独占のからくり

公開日: 更新日:

 スタジオジブリの過去作品が、週末の興行ランキング(興行通信社発表)で上位3本を占めたことが評判になった。それも2週連続である。このコロナ禍のなか、新作を押さえたジブリの強さを改めて知らしめたのだが、順位に少し誤解がある気もしたので、はっきりさせておきたい。

 同ランキングは毎週月曜日、週末(土・日曜)の各作品の入場人員(動員)を出して、順位を定めるものだ。動員に入場料金を掛けた、いわゆる興行収入(興収)を計算、比較したものではない。順位に間違いはないのだが、動員計算により新作の興行がそのぶん、脇に追いやられた印象があった。

 実のところ興収でいえば、6月27、28日の土日では、ジブリ作品と同時公開となった新作の「ランボー ラスト・ブラッド」がトップであった。土日で興収9800万円を記録し、これはジブリ3作品を上回る。目標からすると少し足りないとも言えるが、それでも週末“興収”トップであった事実は間違いない。

 26~28日までの3日間でいえば、1億4550万円を上げ、土日動員1位の「千と千尋の神隠し」の1億1850万円(3日間)を3000万円近くも上回っている。しかも、この3日間なら動員でもトップ。つまり、公開初日26日(金曜)に、「ランボー~」はとくに稼働したということになる。ただ2週目の7月4、5日では、「ランボー~」は動員、興収ともにトップに立つことはできなかった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方