「物価高でねぇ~」じゃない! バブル時代が抜けない49歳男の浪費癖。アルバイト生活が目の前に…
49歳、あの頃はよかった
男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人差があります。ひとつの出来事への解釈や目的が、男性と女性では異なる場合もしばしば。男性と女性では、夫婦のあり方への認識が大きく異なる場合も少なくありません。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな男女の“冷酷” と“激情”のあいだを垣間見るエピソードをお届けします。
【冷酷と激情のあいだ~男性編~】
「お恥ずかしい話ですが。事業がね、あんまりうまく行っていないんですよ。
コロナ禍にダメになって、ちょっとすれば上向きになるだろうって思っていたんですけど、円安や物価高でねぇ〜。苦戦しちゃってますね…」
ヨシツグさんは、20代の頃から自営業者。30代前半の頃には本人いわく「天下を取ったと思うほど、お金が有り余っていた」と胸を張りますが、今の暮らし向きを尋ねると、「生活をするのもやっと」だとバツが悪そうに明かします。
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妻に土下座でプロポーズ
「妻とは、俺がまだイケイケなときに知り合ったんですよね。
妻はけっこうモテるタイプでね、最初は相手にしてもらえなくて、結婚してもらうために俺は土下座してプロポーズしたんですよ
だから真理恵は、ずっとカネがある生活が続くと思ってんでしょうねえ。そんな順風満帆に進むワケないでしょうに」
生活水準を下げる気はない!
豪快な様子で話し始めたヨシツグさん。年齢的にこれからまた飛躍する可能性は低いと思いつつも、生活水準を下げようとは考えていないそうです。
「俺、派手な遊び方をしてきたから、仲間もみんな派手なんですよね。
今も仲間たちと遊ぶときには昔ほどではないにしても、それなりにカネが必要なんです。若いモンにカッコ悪いと思われたくないでしょ。
特に、女の子の前ではね。やっぱ自分を大きく見せたくなっちゃうんだよな~。
借金さえしなければ“宵越しの金は持たない”スタイルで使い切っちゃうのもアリだと思ってるんですよ。
ウチには子どもがいないしね。お金を残しておく必要もない。毎日それなりに楽しく過ごせればいいやって。開き直りですかね、アハハハハ」
ヨシツグさんは事業の規模が縮小傾向であっても、仲間たちとの交流を止めるつもりはないようです。
借金じゃないからセーフ
さらに、妻の真理恵さんも仕事を持っており、共働きなため「生活そのものは楽勝」と断言します。
「真理恵はフリーランスで働いていますけど、俺と別れて自活するほどのチカラもガッツもないですよ、性格的にね。
だから離婚はないでしょうし、まぁ俺なりの美学を理解してくれればなってところかな。
借金をしてまで遊んでいたら問題だけど、借金をしているワケじゃないんだからギリギリセーフでしょ?
少なくとも俺は、そう思っています。真理恵は俺と比べると、心配性なんだよなぁ…。まぁ、なんとかなるでしょ! 人生山あり谷ありですよ。
いざとなればアルバイトでもなんでもしますよ、俺は」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
(並木まき/ライター・エディター)