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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

早歩きが不整脈を予防する?「 1日1万歩」は意外に正しい

公開日: 更新日:

 一番健康に良いことが分かっている運動は、何といってもウオーキング(歩くこと)です。

 毎日歩く習慣を持つことで、健康が維持され、病気の予防になり、結果として長生きができることは、多くの科学的研究によって証明されている事実なのです。

 人はほとんど意識せずに歩いていますが、歩くということは意外に複雑な全身運動で、外を歩くことは筋力やバランス感覚も必要ですし、周囲の危険を察知するような能力も必要です。それを何げなくできるのが、ウオーキングの優れた点なのです。

 歩数と健康との関係も研究されていて、昔からいわれている「1日1万歩」は、科学的にも意外に正しく、最近の研究では、1万歩は歩かなくても健康効果は十分あることも分かっています。

 最近研究が進んでいるのは、歩くスピードと健康との関係です。平均的な速度より速く歩くことで、より健康効果が高まることが分かってきています。

 今年の心臓病の専門誌に発表された論文によると、通常より速く歩くことで、不整脈の予防効果が高まることが、42万人を超える大規模なデータから明らかになりました。脳卒中などの原因となる心房細動という不整脈は、ゆっくり歩く人と比較して、早歩きをする人では、46%もそのリスクが低下していたのです。早歩きは不整脈の予防にもなるようです。

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