著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

「速歩き」は心臓の健康にとってプラスになる…発症と死亡リスク低下

公開日: 更新日:

「歩く」=「ウオーキング」は心臓病をはじめとしたさまざまな病気のリスクを低下させ、健康寿命を延ばす──。この事実はこれまで数々の研究で明らかになっていて、一般にも広く知られています。

 たとえば、2020年に米国で報告された研究では、1日の歩数が多いほど全死亡リスクや心血管疾患による死亡リスクが低下することがわかっています。1日4000歩の人に比べ、8000歩の人は全死亡と心血管疾患死のリスクが51%減少し、1日の歩数を1000歩増やすごとに全死亡リスクと心血管疾患の発症及び死亡リスクが低下していました。

 ウオーキングが心臓の健康にプラスに働くのは、有酸素運動によって心肺機能が向上し、心臓の筋肉が鍛えられるためです。歩くために体を動かすと、心臓はより多くの血液を体中に送り出そうとして、普段より活発に働きます。心臓も筋肉でできていますから、適度な負荷がかかることによってある程度は鍛えられ、心拍数が減って心臓に負荷がかかりにくくなるのです。

 さらにウオーキングは、血流を良くして動脈硬化のリスクを軽減します。実際、日本の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」では、ウオーキングなどの有酸素運動を、「ややきつい」くらいの強度で、毎日30分あるいは週150分を目標に週3回は実施することが推奨されています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 2

    マエケンの「DeNA入り」が急浮上! 古巣広島まさかのNO、巨人はマー君が足かせで動けず

  3. 3

    DeNA次期監督候補に谷繁元信氏が浮上…南場智子オーナーのイチオシ、本人も願ったりかなったり

  4. 4

    サッカー界で囁かれる森保J・長友佑都の“お役御免”と大物選手の代表復帰

  5. 5

    参政党の党勢拡大に早くも陰り…「聖地」加賀市で“親密”現職市長が惨敗落選の波乱

  1. 6

    公明党が「自民との連立離脱も辞さず」の背景…まさかの“国政撤退”もあり得る深刻事情

  2. 7

    巨人が楽天・辰己涼介の国内FA争奪戦に参戦へ…年齢、実績的にもお買い得

  3. 8

    ドジャースの“朗希タンパリング疑惑”で大迷惑!米29球団&日本プロ球団こぞって怒り心頭の納得理由

  4. 9

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  5. 10

    草間リチャード敬太容疑者が逮捕…コンビニバイトと掛け持ちの苦労人だったが横山裕のセレクトに難あり?