「強父論」阿川佐和子著

公開日: 更新日:

 94歳で大往生した父親・阿川弘之氏との思い出をつづったエッセー。

 臨終の夜、仕事を終わらせて娘が駆け付けると父の呼吸はすでに止まっていた。しかし、まだ心臓は動いており、話しかければ今にも言葉が返ってきそうだった。娘は、父が生前に著作の増刷分の印税額を気にしていたことを思い出し、「30万円だったよ」とその耳に報告する。いつものような反応を期待したが、父の声が病室に蘇ることはなかった。そんな別れの日の情景から、父を父と初めて認識した日の幼い日の思い出、そして決して父と同じもの書きになるまいと誓っていたのに、お互いに仕事について相談し合うようになった近年まで、お互いに憎まれ口をたたきながらも深い愛情で結ばれた父と娘の関係が浮かび上がる。(文藝春秋 1300円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    石田ゆり子&渡辺美奈代 50歳で評価「天と地の差」のナゼ

  2. 2

    日韓“オトモダチ”会談 安倍首相と李洛淵氏それぞれの思惑

  3. 3

    武蔵小杉は浸水…著名人が住む“元祖”セレブエリアは安全か

  4. 4

    木下優樹菜“恫喝DM”炎上で謝罪も…夫フジモンへ飛び火確実

  5. 5

    もはや“国民的上司” 天海祐希も昔は「生意気」だった?

  6. 6

    被災地尻目に自衛隊を中東派遣「防災より防衛」のアベコベ

  7. 7

    稲村公望氏 日本郵政の迷走は民営化という構造改悪の結果

  8. 8

    ベスト15にズラリ 海外リーグが付けた日本人選手のお値段

  9. 9

    木下優樹菜は“恫喝DM”で窮地に…芸能人にSNSは“諸刃の刃”

  10. 10

    ガッキーを追い込んだのは錦戸か 明るみになるゲスな過去

もっと見る

編集部オススメ

  1. {{ $index+1 }}

    {{ pickup.Article.title_short }}

もっと見る