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「トヨトミの野望」梶山三郎著

 舞台は、愛知県に本社を構える国内トップクラスの自動車メーカー「トヨトミ自動車」。異例の抜擢劇で社長に就任した武田剛平が、創業者・豊臣勝一郎の孫にあたる豊臣統一の女性トラブルを解決するシーンから物語は始まる。

 武田は、経理畑で辣腕を振るいすぎて一度フィリピンに左遷されたものの、勝一郎の息子の新太郎に見いだされて社長まで駆け上がった経歴の持ち主。創業者一族経営とは一線を画した国際化路線を打ち出し、トヨトミを世界のブランドにまで押し上げた人物だが、豊臣家の血を継ぐ統一にとっては、自分がトップを取るまでのつなぎ期間の社長であり、乗り越えなければならない壁でもあった。

 そんなお家事情をよそに、リーマン・ショック、リコールなど、次々と危機が起こるのだが……。

 フィクションの形をとりつつも、日本の自動車産業の行く末の危うさをリアルに示唆した話題の経済小説。ガラパゴス化した自動車業界の問題点がリアルに描かれている。(講談社 1700円+税)


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