「裁く眼」我孫子武丸著
路上で似顔絵を描いて食べている、売れない漫画家の袴田鉄雄。美人の客をそっくりに描いたのに連れの男にどなられ、代金を踏み倒された。同情したたい焼き屋のおばちゃんの世話で、テレビ局から仕事が舞い込んだ。法廷で被告人の似顔絵を描く法廷画家の仕事だ。担当したのは殺人容疑をかけられた佐藤美里亜。衝撃的な美人だ。見たとおりに描いたら美人に描きすぎて使いにくいと言われた。その似顔絵がテレビの画面に流れた日、鉄雄は襲われて大けがをした。そして、同じ法廷画家の聖護院桜が殺された。美里亜の似顔絵が原因なのか?
鋭い目をもった画家の絵をめぐるミステリー。(文藝春秋 1600円+税)