「オムライスの秘密メロンパンの謎」澁川祐子著
日本人に愛され続けてきた国民食のルーツを探るコラム集。
例えば「コロッケ」。フランス料理の「クロケット」が転訛(てんか)したものというのがこれまでの定説。日本でいうクリームコロッケ=「クロケット」のベシャメルソースの代わりにジャガイモを使用したという説だ。
しかし、明治時代の料理本を調べると、コロッケもどきの料理がさまざま登場した後にフランス料理のクロケットが登場していることが分かり、著者はオランダ説、そしてポルトガル説へと検証を展開していく。他にも、横浜のホテルが発祥といわれる「ナポリタン」やケーキの「モンブラン」など、定番メニュー28品が日本人の食卓にのぼるまでの歴史を追う。(新潮社 590円+税)