「Mr.トルネード」佐々木健一著

公開日: 更新日:

 ほんの30年ほど前までは、世界の空で18カ月に1度という割合で、離着陸の失敗で100人を超す人々が突然地面にたたきつけられ一瞬にして命を奪われる“謎の墜落事故”が頻発していた。

 1965年に起こったイースタン航空66便の墜落事故の調査結果から、原因は「上空から直下へ下降した冷たい空気の塊が起こす衝撃波(ダウンバースト)」にあると解明し、墜落事故の悲劇の連鎖を食い止めた天才気象学者・藤田哲也(シカゴ大学教授)の物語である。1998年に死去。

 本書は、昨年5月に放送されたNHKの特別番組「ブレイブ 勇敢なる者」シリーズ・ドキュメント第1弾「Mr.トルネード 気象学で世界を救った男」(科学ジャーナリスト賞受賞)の企画制作過程での取材をもとに、番組では紹介できなかった内容を盛り込んだ書き下ろしノンフィクション。(文藝春秋 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    JリーグMVP武藤嘉紀が浦和へ電撃移籍か…神戸退団を後押しする“2つの不満”と大きな野望

  2. 2

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  3. 3

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 4

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 5

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  1. 6

    FW大迫勇也を代表招集しないのか? 神戸J連覇に貢献も森保監督との間に漂う“微妙な空気”

  2. 7

    結局「光る君へ」の“勝利”で終わった? 新たな大河ファンを獲得した吉高由里子の評価はうなぎ上り

  3. 8

    飯島愛さん謎の孤独死から15年…関係者が明かした体調不良と、“暗躍した男性”の存在

  4. 9

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  5. 10

    中日FA福谷浩司に“滑り止め特需”!ヤクルトはソフトB石川にフラれ即乗り換え、巨人とロッテも続くか