著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

ドンデコルテはウケる要素「声の張り」「つかみ」「テンポ」をかね備えた“初物”

公開日: 更新日:

M-1グランプリ2025」で優勝した「たくろう」に続き、準優勝した「ドンデコルテ」もテレビ出演を増やしています。ツッコミの小橋君(写真(左))はNSC東京19期生、ボケの渡辺君(同(右))は14期生で、大阪で審査に関わっている私にとって2人はとてつもなく完成度の高い“初物”でした。

 ドンデコルテはウケる要素をすべて兼ね備えていました。まず、オチまでしっかり話が聞こえる。決勝に上がってくるコンビですから、声を張るのは当たり前ですが、これが決して当たり前ではありません。「たくろう」はほんの数年前までボケの赤木君の声・言葉がボソボソして聞き取りにくく、語尾に至ってはフェードアウトしていました。これではお客さんが聞き取れません。すべての情報が聞き取れて初めて“笑い”というリアクションが起きるのです。その点、彼らは明瞭でした。

 そして“つかみ”が早い。最初の自己紹介で、名前の漢字を説明しながら、笑いに変えてしまう。自己紹介を漫然と流しているコンビが意外と多い中、お客さんは引きつけられます。

 次に話の展開に無理やり感がない。エバースのように、とっぴな入り方ももちろんOKですが、そのためには、とっぴな話を聞いたツッコミの必然の(常識的な)セリフを欠かすことができません。ここで誰もが疑問に思う必然のツッコミを入れないと、お客さんはネタについていけなくなり、気持ちが離れてしまいます。ドンデコルテはこうしたお客さんが共感するために必要なセリフを全部詰め込んでいて、無駄なセリフはひと言も、どころか、一音もありません。だから話に入っていきやすく、気がつけば乗せられてしまいます。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    サンド伊達レギュラー14本…40~50代の芸人に仕事集中、「リスク分散」しなかった各局のダメージ度

  2. 2

    中学時代をジャージーで過ごした鈴木奈穂子が、法政大女子高から大学に内部進学してNHK人気アナになるまで

  3. 3

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  4. 4

    北島三郎(4)「毎日が目標です。後ろへは戻れない」 地元・八王子のイベントで生涯現役宣言

  5. 5

    「24時間テレビ」SixTONES起用もマラソン募金額46%減で“旧ジャニーズ一極集中”は終焉へ

  1. 6

    WEST.重岡大毅の結婚にファンの怒りと落胆…“祝福されないアイドル”がやらかす「3つの誤算」

  2. 7

    「24時間マラソン」満身創痍の星野真里が完走も…募金額46%減&ゴール直前の乱入騒動に非難の嵐

  3. 8

    24時間マラソン完走後にSNSで“陰謀論”が拡散 星野真里に上がった「車移動説」のお粗末

  4. 9

    山本美月は九州の女子校で偏差値トップ「筑紫女学園」から明大農学部へ 祖父も生物教師の“リケジョ”

  5. 10

    水前寺清子(1)作詞家・星野哲郎への恩と愛称「チータ」誕生の理由

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「24時間テレビ」SixTONES起用もマラソン募金額46%減で“旧ジャニーズ一極集中”は終焉へ

  2. 2

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 3

    NHK出演にSNSでは抗議の声も…彬子女王と伊藤穰一氏をつなぐ「裏千家」とブータン王室の深い関係

  4. 4

    (2)「おニャン子クラブ」の二の舞いを回避した「順位付け」という競争原理はグループを飛躍的に活性化させた

  5. 5

    「タンス預金2000万円」相続税はどうやってバレる? 税務署が追う“亡き親の出金”

  1. 6

    一発で免許停止も…9月から法定速度改正「時速30キロ」生活道路の見分け方

  2. 7

    水前寺清子(1)作詞家・星野哲郎への恩と愛称「チータ」誕生の理由

  3. 8

    自民党内に内閣改造の“タマ”がいない…女性閣僚「目玉不在」に高市首相が“苦悶”

  4. 9

    24時間マラソン完走後にSNSで“陰謀論”が拡散 星野真里に上がった「車移動説」のお粗末

  5. 10

    止まらない「人手不足倒産」…8月は過去最多を記録、もはや“ブラック企業”は成り立たない