(1)シート移植後10年間、視力が維持され副作用もない
今年3月、世界初となるiPS由来の再生医療製品が条件付きで厚労省から承認され、話題になりました。承認されたのは、治療が難しい心臓病とパーキンソン病治療用の2種類。今後は本格的な実用化が期待されています。
iPS細胞製品の承認は今回が初めてですが、iPS細胞を使った治療は10年以上前から行われており、日本はこの分野では最先端を走っています。
世界初となった「iPS細胞医療」は眼科の分野で実現しました。
山中伸弥・京都大学iPS細胞研究所所長・教授(当時)のノーベル賞受賞のわずか2年後の2014年、当時の理化学研究所発生・再生科学総合研究センター網膜再生医療研究開発プロジェクトリーダーの高橋政代医師(眼科医)が中心となり、加齢黄斑変性の患者にiPS細胞由来の網膜色素上皮(RPE)の移植手術を行ったのです。
加齢黄斑変性は目の網膜の中心部が加齢に伴って障害され、進行すると中心部の視野が失われてしまう病気です。治療薬はあるものの、いったん網膜の細胞が失われると視力を戻すことは難しく、進行を防げなければ失明の恐れもある侮れない病気です。


















