熊谷連続殺人事件<後>もう一度、裁判をやり直させてほしい
2015年9月16日、加藤さんの妻・美和子さん(当時41)と長女の美咲さん(同10)、次女の春花さん(同7)が、ペルー国籍のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者によって熊谷市の自宅で殺害された。加藤さんは「この5年は早かった」と振り返る。
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命日の前日、加藤さんは代理人弁護士と記者会見を行った。2審の「無期懲役」判決後、検察側が上告を断念したことを非難し、「被害者に上告権を与えてほしい」と訴えている。
事件を巡って、さいたま地裁は裁判員裁判で死刑判決を下した。しかし、東京高裁が破棄。バイロン受刑者(35)の心神耗弱を理由に無期懲役判決を出した。そして今月、最高裁は被告側の上告を棄却し「無期懲役」が確定した。その間に検察は上告を“放棄”している。