HIVは脳を攻撃…なぜエイズウイルスはグリア細胞に感染するのか

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 かつては死ぬ病気とされたHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染症。感染すると長い間をかけて免疫を低下させ、指定されている23の疾患のいずれかを発症するとエイズと認定される。いまは治療薬の進歩により、適切な薬を継続して飲み続けることで発症を抑え、日常生活を維持することが可能になっている。それでもHIV感染症が完治することはない。

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)によると、2023年には世界で3990万人がHIVに感染していて、同年には新たに130万人が感染、63万人がエイズ関連の病気で死亡したという。

 同年までの世界の累計感染者数は8840万人に上り、4230万人がエイズ関連の病気で命を落とした。14世紀に欧州を中心に大流行したペストは黒死病と呼ばれ、約5000万人の命を奪ったが、これに匹敵する悲劇がいまも続いている。

 投薬の進歩で長期生存が可能になった一方で、HIV感染者の中には、脳の機能障害を生じるケースも少なくない。エイズが進行すると、運動障害や認知機能障害、精神機能の低下を起こすこともあり、大脳の萎縮、白質の欠損、神経細胞(ニューロン)死などが確認されている。

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