地震と動物の異常行動の関係とは…地震予兆研究センター山内寛之さんはウシ(牛)にも注目
日本は世界に名だたる地震大国。古くから地震予知の研究がさまざまな機関で進められてきているにもかかわらず、この30年間を見ても阪神・淡路大震災、東日本大震災、能登半島地震など大きな地震が立て続けに発生、多くの尊い命が失われている。それだけに1日も早い地震予知システムの確立が大いに待たれる。
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大きな地震が発生する前に動物が本来のパターンとは異なった異常とも言える行動をしたことがしばしば話題になることがある。例えば、「普段は深海にしか生息していないはずのリュウグウノツカイが海岸に打ち上げられた」「町からネズミやカラスが急にいなくなった」「犬が盛んに遠吠えした」などがそれだ。
こうした動物の異常行動と地震との関係をEPRC(地震予兆研究センター)主任研究員の山内寛之さんは長年、研究し続けている。
「中学生の頃、地震の前に動物が騒いだというニュースを見て興味を持ちました。獣医系の大学に入って最初は全く関係のない研究をしていたのですが、大学院の時から本格的に調べ始めました。カメ、ウマ、ニワトリなどいろいろとやりましたが、今、私が最も注目しているのはウシですね」