「ジャクソンひとり」安堂ホセ著
「ジャクソンひとり」安堂ホセ著
ブラックミックスのジャクソンは、スポーツブランドの本社に併設されたフィットネスセンターでスタッフのマッサージを担当している。
昼食時、本社のフードコートでバスケチームの選手のスマホが、ジャクソンのTシャツにプリントされていたQRコードに反応。タップするとリベンジポルノが流れ始める。Tシャツは元モデルのジャクソンの自宅に送られてきたものだ。動画の男はジャクソンに似ているが、当人には覚えはない。しかし、クスリや酒で記憶を失っていることもあるので自分かもしれない。ジャクソンは、同じTシャツによって被害に遭っているドアボーイのジェリン、ポルノスターのエックス、イブキらと知り合い、彼らと犯人を突き止めようと動き出す。
芥川賞受賞作家の鮮烈なるデビュー作。
(河出書房新社 770円)