著者のコラム一覧
荒井宏幸クイーンズ・アイ・クリニック院長

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

糖尿病性網膜症は一定ラインを超えると進行を止められない

公開日: 更新日:

 糖尿病の3大合併症のひとつである「糖尿病性網膜症」。糖尿病が関係しているので、治療は、血糖コントロールが必須です。その上で、眼科での治療は、主にレーザー光線を使った「網膜光凝固」がメインとなります。

 糖尿病性網膜症は、初期で自覚症状に乏しい「単純性」と、進行し失明の恐れがある「増殖性」の2段階に分かれます。増殖性の眼底には、単純性よりもくっきりとした白い斑点が現れます。細い血管が詰まり網膜の一部に血液が流れていない「虚血」の部分も確認され、血管の壁からしみ出した出血も認められます。

 このような状態になった患者さんには、レーザー光線を出血部の周囲に照射するか、網膜全体に照射します。照射することで網膜が凝固するので、網膜が使う酸素量が減少します。こうすることで、新しい血管である新生血管が出てこないようにするのです。

 新生血管についてはこれまで何度かお話ししてきました。酸素不足を補おうとして網膜が新たに作り出す血管のことです。非常にもろく、破れやすいので、網膜や硝子体内で出血を起こし、視力の大幅な低下を招いてしまいます。ですから、新生血管が出てこないよう、レーザーで治療して必要な酸素量を減少させるわけです。レーザーは保険適用です。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  2. 2

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  3. 3

    「地球を救う前に社員を救ってくれ!」日テレ「24時間テレビ」が大ピンチ…メインスポンサー日産が大赤字

  4. 4

    仰天! 参院選兵庫選挙区の国民民主党候補は、県知事選で「斎藤元彦陣営ボランティア」だった

  5. 5

    たつき諒氏“7月5日大災害説”を「滅亡したんだっけ」とイジる古市憲寿氏に辛辣な声が浴びせられる理由

  1. 6

    参政党・神谷代表は早くも“ヒトラー思想”丸出し 参院選第一声で「高齢女性は子どもが産めない」

  2. 7

    兵庫は参院選でまた大混乱! 泉房穂氏が強いられる“ステルス戦”の背景にN党・立花氏らによる執拗な嫌がらせ

  3. 8

    「国宝級イケメン」のレッテルを国宝級演技で払拭 吉沢亮はストイックな芝居バカ

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  5. 10

    近年の夏は地獄…ベテランプロキャディーが教える“酷暑ゴルフ”の完全対策