著者のコラム一覧
荒井宏幸クイーンズ・アイ・クリニック院長

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

糖尿病性網膜症は一定ラインを超えると進行を止められない

公開日: 更新日:

 糖尿病の3大合併症のひとつである「糖尿病性網膜症」。糖尿病が関係しているので、治療は、血糖コントロールが必須です。その上で、眼科での治療は、主にレーザー光線を使った「網膜光凝固」がメインとなります。

 糖尿病性網膜症は、初期で自覚症状に乏しい「単純性」と、進行し失明の恐れがある「増殖性」の2段階に分かれます。増殖性の眼底には、単純性よりもくっきりとした白い斑点が現れます。細い血管が詰まり網膜の一部に血液が流れていない「虚血」の部分も確認され、血管の壁からしみ出した出血も認められます。

 このような状態になった患者さんには、レーザー光線を出血部の周囲に照射するか、網膜全体に照射します。照射することで網膜が凝固するので、網膜が使う酸素量が減少します。こうすることで、新しい血管である新生血管が出てこないようにするのです。

 新生血管についてはこれまで何度かお話ししてきました。酸素不足を補おうとして網膜が新たに作り出す血管のことです。非常にもろく、破れやすいので、網膜や硝子体内で出血を起こし、視力の大幅な低下を招いてしまいます。ですから、新生血管が出てこないよう、レーザーで治療して必要な酸素量を減少させるわけです。レーザーは保険適用です。

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