相次ぐ和歌山県・九州日向灘の揺れは南海トラフの巨大地震の予兆なのか
ここ数年、和歌山県や九州の日向灘で地震が起きている。いずれも小規模だが、南海トラフの巨大地震の予兆はすでに出ているのだろうか。「大人のための地学の教室」(ダイヤモンド社)の著者で、京都大学名誉教授の鎌田浩毅氏(火山学)は、「2021年12月に和歌山県で起きた地震に驚きました」と振り返っている。どういうことなのか。(同書から一部抜粋・再編集しています)
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──和歌山県で起きた地震は最大震度5弱。これが南海トラフの巨大地震と関連があるのでしょうか。
東日本大震災は太平洋プレート(海のプレート)が北米プレート(陸のプレート)の下へ沈み込んで、それで陸のプレートも一緒に引きずられていました。それが耐えきれなくなってボンと跳ね返ることで、巨大地震が起きました。この仕組みは2030年代に起きると予想されている南海トラフの巨大地震も同じです。さて和歌山県の地震ですが、プレートの動きを調べてわかったのが、その南海トラフ巨大地震と同じ方向でプレートが動いたということです。同じ方向で動いたということは、南海トラフ巨大地震を早出し、小出ししてくれたのかなとも考えられます。