(3)食品添加物への消極姿勢が社会的・経済的損失を生む

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 保存料を使わない無添加食品は、食中毒リスクが増すだけではない。保存期間が短くなるため食品ロスが増え、社会的にも経済的にも悪影響を与える。そんな考えがある。どういうことか。引き続き日本食品安全協会代表理事で、鈴鹿医療科学大学の長村洋一客員教授に聞いた。

「食品添加物は危険なので保存料を使わないとすると、食品の保存期間は短くなります。それを補い日持ちさせるためには冷蔵保存が必須です。食品を家庭で保存しようとすれば、冷蔵庫が欠かせません。食品スーパーも強力な冷蔵能力を持つショーケースが必要です。結果、より多くの電力を消費することになるのです」

 2018年の経済産業省資源エネルギー庁の調査によれば、家庭における機器別エネルギー消費量の内訳のうち、冷蔵庫が占める割合は夏季17.8%、冬季14.9%。2023年に同庁が発表した「夏季の省エネ・節電メニュー」によると、食品スーパーにおける用途別消費電力のうちショーケースは夏季37.8%、冬季41%となっている。

 ちなみに、総務省の「家計調査年報(2020年家計収支編)」によると電気代の平均月額は1万162円(2人以上世帯)。夏季だと、冷蔵庫の月額電気代として1808円支払っている計算となる。

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