歩行リハビリ支援ロボットを積極的に使用していないのはなぜか
「理学療法士」(PT)は、片麻痺や高次脳機能障害、廃用症候群などで歩行できなくなった患者さんの歩行リハビリを担当します。その際、当院では歩くための「装具」を積極的に活用します。
近年は、歩行支援ロボットも続々登場しています。その代表であるロボットスーツHAL(R)などを用いて歩行リハビリを行う施設も増えています。HAL(R)は歩行機能を改善する目的で開発された装着型ロボットで、患者さんが「歩こう」とした際に表れる下肢筋肉の微弱な「生体電位信号」を利用します。HAL(R)は、装着者のその信号を皮膚に貼ったセンサーで検出して、筋力アシストを行って適切な運動パターンを繰り返すという医療機器です。
ただ、当院で行うリハビリでは歩行ロボットは使用していません。それは、当院の理学療法士による下肢装具を使った歩行訓練の方が、歩行ロボットより総合的に歩行改善効果が優れていると考えているからです。その結果、洗練された理学療法士を数多く育成できています。歩行リハビリ支援ロボットはまだまだ十分に洗練された状態ではありません。