AIで急成長する「音声認識技術」 議事録作成市場は年平均約19%の伸び
議事録は、場の雰囲気のような描写はなく、発言の推移だけを記載した記録である。これは新人がまずやらされる仕事のひとつだ。記録すること自体は大したことではないが、会議では業界用語がポンポン飛び出してくる。それを正確に理解し、書けるようになることを願うという名目で、新人の任務とされている。
しかし、課長クラスが書くこともある。2社間の打ち合わせがその典型だ。この記録は先方の上層部が読むことも考慮し、特にきちんと書く必要がある。だが、議事録に求められるものはあくまでも正確さ。課長だからこうするという責任部分が議事録自体にはない。
ならば、AI(人工知能)に任せたいという声が多いのも当然だ。私もさまざまな発表会に出席するが、基本、全て録音する。問題が生じた時に確認するためであり、生じない時は、録音データは放置する。録音データを逐一確認するのはタイムパフォーマンスが非常に悪いからだ。認識という意味では、視覚認識が圧倒的に速い。
では、AI認識による文字起こしは、金になるのだろうか。これがなるのだ。2020年にこの業界に参入したNottaに24年に入社した田村清人COOは「こんな業界が存在するのかと思いました。年平均18.9%で全体が伸びており、2023年でも450.7ミリオンドル。2033年には2545.1ミリオンドル(約3667億円)といわれている」と興奮した面持ちで語った。