広島・新井監督を叱咤激励「試合前に相手チームの選手とバカ笑いしている場合じゃない。厳しさを見せよ」

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■歴代捕手で3割打者は1人だけ

 ――96年はリーグ8位の打率.314をマーク。広島の歴代捕手で規定打席に到達して3割を残したのは、西山さんだけ。

「山本一義チーフ兼打撃コーチが『規定打席到達で打率3割を1度やってみろ。世の中のおまえを見る目が変わる』と言ってくれた。最後に三村敏之監督に『観客への顔見せで代打だ』と言われ凡打に終わり、松井秀喜(巨人=7位)より打率が下になってしまったのは悔しかった」

 ――当時の松井は抑えるのが大変だった?

「同じ左打者でタイプが近い同僚の金本知憲に『松井はどう抑えたらいい?』と聞いたら『ニシやん、高めからド真ん中に落ちるフォークや。打者はワンバウンドになると思っているから、手が出えへん』と。翌日、黒田博樹にその通り投げてもらったら、松井は見逃し三振でした。ただ、スイングの速さはケタ違いで、球を潰したような『ベチッ』という打球音は松井だけでした」

 ――新井監督の現役時代は?

「最初に見た時、プロ野球のレベルじゃなかった。金本は新井に『おまえ、コネでよく入ってきたな』と言っていました。ただ、やっていくうちにどんどん力をつけた。プロ野球に入ってから、あれだけ伸びた選手はいない。底辺から一番上まで上がった。打てない、守れない、投げられない。でも体だけは丈夫だった。だから、今ならパワハラといわれるような、強制的にやらされる厳しい練習にも耐えられた。それで伸びる選手もいるのに、今はこんな練習できません」

 ――今年は広島の所属選手が逮捕されるなど、「ゾンビたばこ問題」が世間を騒がせた。

「私が移籍した時も松田元オーナー(当時はオーナー代行)に『少々やんちゃでもええから、とにかく野球も頑張れ』と言われました。基本的には自由な球団ですけど、ゾンビはあかん」

 ――来季続投が決まった新井監督は優しい、と言われる。

「新井監督は就任時に『みんなは家族』と言った。1年目はそれでいい。でも、2年目からは厳しさを出していかないとチームは崩壊するよと言い続けていたんです。結局4年目の今まで厳しさを出せないまま、チーム全体が緩んだような形で来てしまった。試合前に相手チームの選手や解説者とバカ笑いしている場合じゃない。選手はその姿を見ているわけですから。選手に厳しく接する前に自分に厳しくしないと、いつまでたってもチームが引き締まることはないと思う。来年こそ頑張ってほしいですね」(【後編】につづく)

 (聞き手=増田和史/日刊ゲンダイ)

◆西山秀二(にしやま・しゅうじ) 1967年7月7日、大阪府出身。上宮高から85年のドラフト4位で南海に入団。プロ2年目の87年途中で広島にトレード移籍。94、96年にベストナイン、ゴールデングラブ賞をそれぞれ獲得。2004年オフに巨人に移籍し、05年限りで現役引退。引退後は巨人、中日のコーチを歴任。現在は評論家として活躍している。

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