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佐藤優氏が薦める「イスラム世界」がわかる3冊

 「イスラム聖戦テロの脅威/松本光弘著」は、警察の対テロ対策部門の責任者である警察庁外事情報部長を務める著者による、イスラム過激派に関する優れた作品だ。

〈現在のヨーロッパは、「新アフガニスタン」とも呼びうる。アルカイダの類が作戦本部に選んでいるからだ。(中略)ジハード主義者たちは世界メディアの中心ロンドンを利用し、聖戦テロの観衆もグローバルにした。アルカイダがこれまで世界中で行ってきたテロ攻撃は、9・11テロ以前からすべてヨーロッパと何らかのつながりがあった〉と指摘する。

「イスラム国」(IS)の活動は、信教や報道の自由、人権尊重などのヨーロッパの価値観に付け込んでいる。16年もヨーロッパで深刻なテロが発生する可能性が排除されない。

 「第3次世界大戦の罠/山内昌之・佐藤優著」では、それぞれ中東とロシアを専門とする2人の踏み込んだ意見交換が展開されている。山内氏のトルコのエルドアン政権とISの協力関係についての指摘が重要だ。

 ジョージ・フリードマン著「新・100年予測 ヨーロッパ炎上」は、トルコがオスマン帝国への回帰という表象で、帝国主義的傾向を強めていることに警鐘を鳴らしている。イスラム原理主義的傾向を持つエルドアン政権は世界の不安定要因になっている。

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