「病める『海のまち』」闇 高須基仁著
東日本大震災から5年以上が過ぎた。リオ五輪が終わり、日本は次の東京五輪に向けた動きに染まっているが、被災地はどうなっているのか。そんな思いで、震災の象徴だった石巻市と74人の死者を出した大川小学校にスポットを当て、震災から今日に至る復興の内情をルポ。
大川小学校で多数の犠牲者が出たのは、校長が前任者が作成した避難マニュアルを見ていなかったための人災だという。
市が災害復興支援住宅として20億円で買い取ったのは、実は商工会議所会頭が組合理事長を務めるマンションだったということも発覚。震災がれき撤去詐取事件、公金の不透明な動きを巡るトラブルなど、報道されない石巻の闇を検証する。(展望社 1600円+税)