「われらが背きし者」ジョン・ル・カレ著 上岡伸雄・上杉隼人訳
オックスフォード大学の教壇に立つペリーは、中学教師への転身を決断。恋人で弁護士のゲイルと最初で最後の贅沢をしようと、父の遺産でカリブ海のリゾート島に滞在する。スポーツ万能のペリーは、現地でデュマと名乗る男からテニスの試合を申し込まれる。2人の試合を観戦中、ゲイルは彼の親族だという2人の少女と仲良くなる。
ロシアの富豪らしいデュマに気に入られたペリーとゲイルは彼の息子の誕生パーティーに招待される。迎えてくれたデュマは、盗聴器に会話を聞かれないよう一枚の紙を差し出す。実は彼はロシアの犯罪組織の幹部で、イギリスへの亡命を希望しており、ペリーはイギリス情報部との仲介を頼まれる。
スパイ小説の巨匠によるエンターテインメント。(岩波書店 1300円+税)