13歳のとき、滞在していたモロッコのホテルで〈インターナショナル・ヘラルド・トリビューン〉を読んで、著者は国際ニュースに夢中になった。記者になる夢を持ち、大学を卒業した後、エジプトに向かい、カイロで統一教会系の週刊紙「ミドル・イースト・タイムズ」の記者となる。エジプトの教育制度はひどく、イスラム同胞団が国の代わりに教育を担っているが、彼らはエジプトや自分たちの生活の問題はすべて外部の責任だと信じていた。2003年に米英がバグダッドを爆撃したとき、著者はイラクに残った最後のアメリカ人記者となった。
イスラム同胞団に近づき、中東を内側から見たジャーナリストの考察。(朝日新聞出版 1800円+税)