「琴電殺人事件」西村京太郎著
私立探偵の橋本に人気歌舞伎役者・松川市之介の番頭・嵐からボディーガードの依頼が舞い込む。数日後に迫った香川県の金丸座への出演を中止しなければ、市之介の命を絶つとの脅迫状が届いたというのだ。送り主は市之介の金丸座への出演に反対を言い続けてきた後援者の尾形と思われ、警察にも相談できないという。橋本は、市之介と香川に行くことを約束する。だが、翌朝、尾形が何者かに殺されたというニュースが流れる。状況から脅迫状の送り主が尾形ではなかったことも分かる。元部下の橋本から話を聞いた警視庁の十津川は、市之介を守るために香川に向かう。
高松のローカル線と日本最古の芝居小屋を舞台に描く長編ミステリー。(新潮社 830円+税)