民放バラエティーとは一線 NHK「スポーツ語り亭」の魅力とは
もちろん酒席のオチャラケ話ばかりでなく、掛布が実際にバットを持ち、ボール(の付いた棒)を持ったミッツ相手にホームランの打ち方の講座もやってくれた。
ホスト役の槙原が甲子園でホームラン3連発を食らった時の懐かしい映像もよかったし、酒場(のセット)ならではのぶっちゃけトークと、まじめな語りのバランスが絶妙で、観賞に堪える。ママ役のミッツがあまりでしゃばらず、お客(選手)に好きにしゃべらせるところも、本物のスナック感が出てて、一杯飲みながら見るには最適だ。
民放にありがちな、出演者が多くて(しかもチャチャ入れるタレントばかり!)、やかましいスポーツバラエティーにうんざりしてる人にもオススメ。
13年の開始以来、半分近くの放送で野球がテーマの当番組。他のスポーツ選手のときより、野球選手のほうがおもしろく感じるのは、日本人(とくに中年)は野球の話がいい酒の肴になるからだろう(フィギュアのトークじゃ酒はすすまない)。
番組は4月から新装開店、いっそ「野球 語り亭」にして、総合テレビでもオンエアしてほしい。
(作家・松野大介)