「昭和たばこ図鑑」鎮目良文(たばこと塩の博物館主任学芸員)監修
「昭和たばこ図鑑」鎮目良文(たばこと塩の博物館主任学芸員)監修
喫煙者天国だった昭和は遠くなり、今は喫煙者の肩身は狭く、おまけに電子たばこの登場で、喫煙シーンも大きく変わろうとしている。
一方、たばこのパッケージには、各時代の最先端の才能が用いられ、見応えがある。本書は「アートとして再発見」するをテーマに、昭和のたばこパッケージを解説したビジュアルブック。
昭和初期のパッケージデザインの特徴は「図案=デザイン」の概念が導入されたことだという。その嚆矢ともいえるのが、日本のグラフィックデザイナー第1号といわれる杉浦非水の関与だ。
彼とその弟子らが大蔵省専売局の嘱託デザイナーに採用され、日本のたばこデザインの新時代が切り開かれた。
まずは、非水が制作にかかわった「扶桑」や「響」などを紹介。
1936(昭和11)年に発売された「光」のパッケージは、朝焼けを思わせる赤い背景に金色の太陽が輝き、光を受けた雲がたなびいている。しかし、発売2年後には戦争の影響で金属インキの使用が制限され、図案の生命線であった太陽の金色が黄色に変更。以降、時勢によるデザインの変化も順を追って紹介。
同じく戦争の影響で名称からデザインまで変わった「ゴールデンバット」をはじめ、戦後、日本専売公社の依頼で斯界の第一人者だったレイモンド・ローウィが手掛けた「ピース」(昭和21年)、そして駆け出しのころの和田誠が手掛けた「ハイライト」(昭和35年)、アポロ11号の月面着陸成功と同じ年の昭和44年に発売され時代を象徴する商品のひとつとなった「セブンスター」など、たばこパッケージデザインの歴史を振り返る。
記念たばこや観光たばこなどの限定デザインのパッケージも網羅した保存版。
(小学館 1870円)



















