繰り返す胃の不調は日々のケアで改善 「胃もたれ」「胃痛」「胸やけ」の対処法とは?
病気が進行していても自覚症状がほとんど表れない肝臓が「沈黙の臓器」と呼ばれるのに対して、胃は不調が表に出やすい「おしゃべりな臓器」。
寒暖差や環境の変化によるストレス、歓送迎会の暴飲暴食などで特に今のこの時期は胃のトラブルが起こりがちだ。
そこで今回は胃の不調にはどのように対処したらいいのかを探ってみた。
胃の不調には3つのタイプが
最近は一時的な胃の不調ではなく、薬が効かないほど慢性的な胃の不調に悩む人が増えているという。
それだけに症状が重くなる前に適切な対処をすることが必要であり、そのためには胃の不調について正しく知っておくことが大切。
単に胃の不調といっても症状は1つではないことをまずは知っておこう。
胃の不調は、
①胃もたれタイプ……食後に胃が重たく感じる、なかなか消化されないなどの症状が特徴。食べ過ぎ、脂っこい食事、早食いなど消化器への負担が主な原因。
②胃痛タイプ……キリキリとした痛みや違和感が続くタイプ。特にストレスがかかった時や空腹時に悪化しやすい。
③胸やけタイプ……みぞおちからノドにかけて熱く感じる症状。食後すぐ横になると悪化しやすく、胃酸が逆流することで起こる。
以上の3つのタイプに分類され、まずは自分の胃の不調がどのタイプかを知ることが胃のトラブルを解消する第一歩になる。
胃の不調は「変えていけるもの」
自分自身の胃の不調のタイプが分かったらそれにどうやって対処したらいいのか、一般内科医で消化器病専門医の工藤あき先生に伺ってみた。
すると、胃の不調の具体的な対処法を考えるうえで覚えておくべきことがあると工藤先生はいう。
「胃の不調は突然襲ってくるため『症状が出たら薬で抑えればいい』とお考えになる方が多いかもしれません。しかし、症状だけに対処する方法では『効かない』『すぐに再発する』と感じやすくなってしまいますし、胃の不調が長引くと『痛みがまた襲ってくるのではないか』という恐怖や不安を抱えてしまうことにもつながってしまうのです。大切なのは原因を理解し、適切に対応すること」
「実は、胃という臓器は日々のケアによって状態を整えることができ、しっかり向き合えば症状そのものを抑えることも可能です。つまり、胃は『対処するもの』ではなく『変えていけるもの』なのです」
胃痛タイプにはヨーグルトの乳酸菌を!
では、「変えていける」ことを前提に3つのタイプ別に胃の不調の対処法を見ていこう。
①胃もたれタイプ
胃もたれは胃の動きが低下している状態だが、そんな時、胃に優しいと思ってパンやうどんを食べるのはむしろ逆効果。それらに含まれる小麦の一部の成分は腸内で発酵しやすく、ガスや腸の張りを引き起こすからだ。
また、柔らかく食べやすいために嚙まなくなってしまうことも消化を悪くしてしまうことになる。
「早食いや脂っこい食事、生活習慣の乱れなどといった原因が続く限り、胃酸を抑えたり粘膜を保護する作用が中心の胃薬を飲んでもすぐに再発する傾向があります。そこで、胃もたれには日々の生活を改善して日頃から胃のケアを心がけ、こうした原因をなくすことが大切です」
②胃痛タイプ
胃痛は胃の知覚過敏が起き、通常なら感じない程度の刺激でも痛みや不快感を覚えてしまう状態のことで、寒暖差や環境の変化、日常のストレスなどの外部要因によって引き起こされやすくなる。
「胃痛の原因を取り除いてやることが胃痛を解消する近道になりますが、こうした原因を回避することは簡単ではありません。そこでおススメなのが粘膜を保護してくれる効果があるなど胃に優しいヨーグルトです」
「胃にも菌活は有効で中にはピロリ菌の活性を抑えたり、胃痛や胃もたれなどを和らげたりする作用を持ったLG21乳酸菌のような胃に特化した乳酸菌もありますので、日頃から意識して摂るようにしましょう」
③胸やけタイプ
胸やけは胃と食道の間にある括約筋が緩み、胃酸が食道に逆流することでみぞおち周辺にムカムカ感が起こること。胃酸の逆流は「胃食道逆流症」という病気にもつながり、それが続くと食道がんのリスクが上昇し命に関わる恐れもあるというから軽視は禁物だ。
「胃酸の逆流を抑えるためには暴飲暴食をしないことと寝る時の姿勢が重要です。胃は左側が膨らんだ形をしているので、左側を下にすると膨らんでいる方向に胃酸が溜まって逆流しにくくなります。また、牛乳やヨーグルトなどの乳製品は胃酸の中和を助け、胃の粘膜を保護してくれる効果や症状の緩和に役立つことも覚えておいていただきたいですね」
自分の胃の不調タイプを理解したうえで日々ケアすることが繰り返される胃の悩みの解決につながるのだ。


















