「青のナースシューズ」藤岡陽子著

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「青のナースシューズ」藤岡陽子著

 小6のときに起きた交通事故が原因で、父親を亡くし、弟が車椅子生活になってしまった岡崎成道は、看護師を目指して看護大学に進学した。シングルマザーになった母親に負担をかけないように、学費が無料になる特待生になったのだ。そこまでして看護師になったのには、「白衣の力士」と呼ばれていた看護師の父親の影響があった。とはいえ、看護師の世界は女性中心社会。覚悟はしていたものの、40人のクラスに男子は5人しかいない。実習に行けば、男性であることで患者さんから受け入れてもらえなかったり、気を使ったりすることも多い。看護の世界で、男性である自分は歓迎されていないのではないか。迷いを抱き始めたとき、成道はある患者さんと出会い、看護師免許を取ったら青のナースシューズをプレゼントしたいと言われるのだが……。

 2009年「いつまでも白い羽根」でデビューし、24年に「リラの花咲くけものみち」で吉川英治文学新人賞を受賞した著者による最新作。自身の看護師としての経験を反映させながら、あまり知られていない男性看護師の世界を温かな目線で描いている。

(KADOKAWA 1980円)

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