鈴木拡樹「40歳ってもっと貫禄のある年齢だと思ってた」30代からの変化と“大人”として目指すもの|『紅鬼物語』

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コクハク

 舞台『刀剣乱舞』シリーズの三日月宗近役などで知られる鈴木拡樹さんが、『髑髏城の七人 Season月≪下弦の月≫』以来、約7年ぶりに劇団☆新感線の舞台に立ちます。

 鬼が棲まう平安の世を舞台にした、2025年劇団☆新感線45周年興行・初夏公演いのうえ歌舞伎【譚】Retrospective『紅鬼物語』で、鬼の痕跡を残し忽然と姿を消した妻と娘を10年にわたり探し続ける平安貴族の源蒼を演じます。

 この6月に40歳になる鈴木さんから、自身の10年前に思いを馳せた「コクハク」を聞きました。チェキプレゼントもお見逃しなく!

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SNSで話題の公演ビジュアル。“風”の技術に驚愕

――とてもかっこいい公演ビジュアルで、公演発表の際からSNSでも話題になっていました。ビジュアル撮影に挑んだときのことを教えてください。

 台本をまだいただいていない時で、時代背景と役柄だけ聞いていました。なので平安時代の源氏のことや、どういった暮らしをしていたのかを調べて撮影に挑みました。たくさん撮って、かっこいいショットを使っていただきました。スタジオ撮影では、実は想像していなかったすごい風を受けたんです(笑)。風の技術を利用したものもかなり撮ったので。

――風の技術を(笑)。平安貴族役、とてもお似合いです。

 ありがたいです。まだ稽古に入る前でしたが、キャストのみなさんお似合いでしたし、写真を見て、このメンバーでやるんだと、空気感と雰囲気を感じられました。柚香光さん(※)が撮影のトップバッターだったのですが、入れ替わりの瞬間が「はじめまして」でした。「こんな感じで撮りました」というのを見せていただいたんですけど、柚香さん「これ、オールOKでしょう!」という感じで、すべてかっこよくて、驚愕でした。

※元花組トップスターの柚香光さんは、本公演が宝塚歌劇団退団後初の舞台。行方知れずになった源蒼の妻・紅子を演じます。

様々な役者が集った「異種格闘技戦」

――実際に台本を読まれたときの感想は?

 妖怪にまつわるお話を含め、“物語”って、平安時代に生まれたものが多いんですよね。それだけ文学が進んだ時代で、女性も書かれていた時代だった。なので鬼が絡んだ今回の物語はしっくりきましたし、なかでも“鬼”が架空のものではなく、実際にいるという設定も、時代背景と合っていると感じました。人と鬼が大きなテーマになってくると思いますが、ほかにもいろんな形の家族の話が絡んでいて、とても面白いと感じています。

――製作発表会見の際にも「異種格闘技戦」と話題に上っていたように、ゴールデンボンバーの喜矢武豊さん、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』でデビューした一ノ瀬颯さん、乃木坂46の元メンバーの樋口日奈さん、大衆演劇出身の早乙女友貴さんと、本当にいろんなジャンルで活躍されてきたみなさんが集まった舞台です。

 みなさん、それぞれに特化したものを持たれています。歌、ダンスをされてきた方も多いですし、劇団☆新感線も歌、ダンスが見せ場のひとつなので、とても贅沢だなと感じますね。

劇団☆新感線に約7年ぶりの参加。今回の挑戦は?

――アクションにも期待ですが、鈴木さんは、みなさんのなかでも多くのジャンルを経験されてきています。劇団☆新感線へも約7年ぶり、2度目の参加です。

 舞台を踏むたび、毎回いろんなことに挑戦しています。劇団☆新感線では、前回『髑髏城の七人 Season月≪下弦の月≫』に出させていただきました。そのときはダブルチームで劇団☆新感線を知ることができました。今回は、向き合う時間もさらに多いですし、演出のいのうえひでのりさんが、どういう思考でシーンを組み立てていきたいのかに、前回以上に注目して稽古に臨めたらと思っています。

――いのうえさんの思考を体現するのが、今回の最大の挑戦になりますか?

 始まる前はそれが一番の挑戦かなと考えていましたが、それだけではないなとも思っています。劇団☆新感線のことはもちろん知っていたけれど、観に行こうというその一歩を踏み出せなかった方もいらっしゃると思います。それが、これだけ多岐にわたるジャンルの方々が集まっているということが、「この機会に」という一歩にもつながるといいなと。

 45周年の舞台に参加させていただく身として、この公演が次の50周年につながっていったら最高に嬉しいですし、劇団☆新感線の方にお世話になっているからこそ、自分たちが参加して残せるものは何かということも考えています。

NBA観戦から受けた影響とは

――鈴木さんご自身についてもお聞かせください。鈴木さんはNBA観戦がとてもお好きだとか。

 はい、今も観ています。

――なかでもアレン・アイバーソンとジェイソン・ウイリアムズがお好きだと。読者には知らない人も多いと思いますが、ふたりともアグレッシブなタイプで、特にアイバーソンは「セルフィッシュ」とも言われることも多いスターでした。

 鈴木さんは常に穏やかな印象ですが、スポーツ観戦となると、ご自身と異なるタイプが好きなのか、それとも鈴木さんの中にあるアグレッシブな面を刺激されるのでしょうか。

 まず自分のなかで、チーム競技の観戦が好きというのがあります。みんなで成し遂げるスポーツのほうが、個人的には盛り上がるタイプです。そしてアイバーソンは確かにセルフィッシュと言われることもありましたが、ギリギリのところで見せる力、圧倒的なカリスマ性がすごかったですし、チームを覚えてもらう“花形”でもありました。

 76ersにいたころは特に、プレーでの貢献はもちろん、それ以外の部分での貢献度も高かったと思います。

――オーラや華が素晴らしかったことも、好きのポイントだと。

 プロスポーツですから。勝ち負け以外で、チームに何を残せたかというところも大事なんじゃないかと思います。

――プロスポーツと演劇は全く違いますが、そうした面でご自身に重なって考えられる部分をあえて挙げるなら?

 チーム全体や公演を成功させるといったところは、徹しなければいけない美学だと思います。その中にも、自分の好みをきちんと残す。それをやれるかやれないかが、仕事、プロかどうかの違いかなと。観客に届くかどうかが大事ですから。

 アイバーソンも、ただ勝ち負けで試合をしていたわけじゃなかった。あれだけ自由に見えたけれど、やっぱり“プロ”だったと思います。あと僕に関して言うと、殺陣も、穏やかすぎたら成立しないかな。

今年で40歳。30歳からの変化は

――さて、今回演じる源蒼は、10年前に消えた妻と娘を探し続けています。「10年間」と「コクハク」をかけて、鈴木さん自身の10年前に思いを馳せてコクハクできることを、教えてください。

 10年前というと、ちょうど自分が30歳になるくらいのとき。「30歳で、どういう役者になっているか」ということを考えていた時期です。それまで5年、6年先の未来を考えることが多かったのですが、30歳を目前に控えて、“今の自分”の足もとをちゃんと見なければいけないと学びました。

 今年は40歳になりますが、30歳のときより考え方にも柔軟さや余裕があります。それに、やっと自分の年齢を間違えずに済む年が来たなと喜んでいます。

――え?それはどういう意味ですか?

 30代後半に入ってきてから、自分の年齢がごっちゃになってしまって、逆サバを読んでしまうことが多かったんです。1つ2つ上の年齢を答えてしまって、「39歳です。あれ、違った37歳だ」とか結構あって(苦笑)。今年はキリのいい40歳になるので、こうした取材でも間違えなくて安心だなと(笑)。

――そんなところに安心感を(笑)。最後に、40代突入に向かって、「こうした大人の男、大人を目指していけたら」という目標を教えてください。

 みなさんおっしゃいますが、40歳って、もっともっと年上の貫禄のある年齢だと思ってたんですよね。もちろん成長している部分ややれることも増えてはいますけど、想像していたよりも若い気持ちで40代に突入できるなと思っています。

 役の幅でいえば、近年ようやく今回のような妻のいる役や父親役が回ってきて、演じられるようになってきました。でもまだ経験が浅いので、家庭を感じさせるような面も「アリだな」と思ってもらえるように、いろんなカラーを出していけたらなと思っています。

劇団☆新感線45周年興行・初夏公演 いのうえ歌舞伎【譚】Retrospective『紅鬼物語』
5月13日~6月1日、大阪 大阪 SkyシアターMBS
6月24日~7月17日、東京 シアターH
https://www.vi-shinkansen.co.jp/akaoni/

ヘアメイク/AKI
スタイリスト/中村美保

チェキプレゼント応募要項

 鈴木拡樹さんのサイン入りチェキを1名にプレゼントいたします。

■応募条件
 @kokuhaku_loverのフォロー&該当の投稿をリポスト

■応募締切
 2025年6月3日(火) 23:59

■当選通知について
 当選者の方にはDMを送らせていただきます。

※当選者の発表は当選DMをもってかえさせていただきます。 また、当落に関するお問い合わせはお答えできかねますので予めご了承ください。

(望月ふみ)

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