「絵馬と脅迫状」久坂部羊著

公開日: 更新日:

「絵馬と脅迫状」久坂部羊著

 木瀬の幼なじみの親友だった西条己一が、7年前に首吊り自殺をした。葬儀のとき、遺体の様子に、木瀬は絶句した。死の6日後に発見されたため、顔はうっ血してむくみ、全体が赤黒く変色している。爪が2ミリ半ほど伸びているのを見て、木瀬はいぶかしく感じた。10日前に会ったとき、己一は深爪なほど爪を切っていたからだ。彼はトルストイが貴族の青年として爪をきれいに整えていたというエピソードが気に入っていた。

 木瀬はその後、神経内科医になったが、研修医として配属された塙亮二に会って驚いた。己一とうり二つだった。木瀬は塙に監視されているように感じた。(「爪の伸びた遺体」)

「病」をめぐる6編の短編小説集。 (幻冬舎 1870円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「左膝の半月板が割れ…」横綱・豊昇龍にまさかのアクシデントで稽古中止

  2. 2

    松山千春がNHK紅白を「エコひいき」とバッサリ!歌手の“持ち時間”に求めた「平等」の正当性を考える

  3. 3

    巨人オーナーから“至上命令” 阿部監督が背負う「坂本勇人2世育成&抜擢」の重い十字架

  4. 4

    高市政権が抱える統一教会“爆弾”の破壊力 文春入手の3200ページ内部文書には自民議員ズラリ

  5. 5

    前橋市長選で予想外バトルに…小川晶前市長を山本一太群馬県知事がブログでネチネチ陰湿攻撃のナゼ

  1. 6

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網

  2. 7

    阿部監督のせい?巨人「マエケン取り失敗」の深層 その独善的な振舞いは筒抜けだった

  3. 8

    バタバタNHK紅白 高視聴率でも今田美桜、有吉弘行らMC陣は負担増「出演者個々の頑張りに支えられた」

  4. 9

    菊池風磨のカウコン演出に不満噴出 SNS解禁でSTARTO社の課題はタレントのメンタルケアに

  5. 10

    ロッテ前監督・吉井理人氏が大谷翔平を語る「アレを直せば、もっと良く、170kmくらい投げられる」