「嵐」紆余曲折の26年を振り返る。意外なメンバー抜擢、売上苦戦…それでも幸せな時間を共有できるわけ

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コクハク

嵐の活動終了に温かい声

 5月6日、国民的グループである嵐が来春開催するツアーを経て、2026年5月いっぱいで活動終了することを発表した。嵐は2020年末に活動を休止し、それから約4年半、相葉雅紀(42)、松本潤(41)、二宮和也(41)、櫻井翔(43)の4人は個人での活動を続けてきた。一方、大野智(44)はその間、芸能活動を休止していた。

 1999年の結成、CDデビューから26年目に5人全員で出した活動終了という答えに、多くのファンがショックを受けつつも、温かい労いの声で溢れている。

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当時、意外だった大野の「嵐」デビュー

 今でこそ5人の結束力の高さや仲の良さは有名だが、結成時、嵐に選出され最も意外だったのが大野だ。

 嵐結成前夜は、旧ジャニーズ事務所(現STARTO ENTERTAINMENT)のジャニーズJr.(現ジュニア)全盛期。滝沢秀明(43)がはっきりとその中心におり、それに次ぐ存在が今井翼(43)だった。1998年からは、ジャニーズJr.初の全国放送のゴールデン帯冠番組「8時だJ」(テレビ朝日系)も放送されていた。

 有力ジャニーズJr.が多数出演する中、相葉、松本、二宮、櫻井は、同番組内でも比較的前面に押し出され、滝沢・今井を中心とするデビューグループのメンバーになると予想するファンも多かった。また、相葉、松本、二宮は、1997年から生田斗真(40)とMAINというグループでも活動しており、この4人のデビューは当確と目されていた。

 そんな華やかな嵐の他メンバーのジャニーズJr.時代の露出に対し、大野はなんと「8時だJ」に1度も出演していない。

 大野は嵐結成のわずか半年前に、Musical Academyという舞台を中心としたユニットのメンバーに選ばれていた。嵐の他4人との交流をテレビなどで見る機会はほぼ無く、嵐のデビュー会見に大野がいたことは、そこに滝沢・今井が不在だったことの次に驚きの出来事だった。

 こうした経緯がありながらも、嵐5人は絶妙な調和を見せていくことになる。ただ、デビュー曲「A・RA・SHI」こそミリオンに近い売上を記録するも、その後は伸び悩み、3~4年後には10万枚台を記録したり、チャート1位が取れない時期が続いた(オリコン調べ)。

「花より男子」でのブレイクも、売り上げは苦戦していた

 嵐は自分達の大ブレイクのきっかけとして、松本が「花より男子」(TBS系)に出演したことを後に挙げているが、楽曲的には2007年の「花より男子2(リターンズ)」(TBS系)の主題歌「Love so sweet」が該当すると思われる。

 2005年放送の「花より男子」(TBS系)では、主題歌「WISH」の初週売上に苦戦し、1位を取るために握手会を“緊急発動”させた。

 嵐はこれ以前にも、CD売上を伸ばすため、旧事務所では異例だった握手会を3度開催してきた。だが、「花より男子」は大人気コミックの実写化で、平均世帯視聴率は19%台を記録している(ビデオリサーチ調べ)。そんな大ヒットドラマの主題歌でありながら、握手会無しでは同週発売の競合アーティストに勝てないと旧事務所が判断。急遽握手会が開催され、なんとか1位を獲得したのだった。

 そんな嵐も紆余曲折を経て、「Love so sweet」以降、松本だけでなくメンバー全員が次々と個性を発揮し、大ヒット曲を連発し、名実ともに国民的グループとなった。

解散までの幸せな時間を共有できるはず

 大野は、嵐結成前に何度かジャニーズJr.を辞める意思を旧事務所に伝えていたと、バラエティ番組などで明かしている。しかし、嵐となって活動休止まで20年、活動終了まで26年、歌とダンスの核となってグループの隆盛を牽引した。今後大野がどんな道を歩もうとも、ファンは彼に感謝の気持ちでいっぱいだろう。

 相葉、松本、二宮、櫻井は、嵐活動終了後も芸能活動を続けるとみられ、それぞれの得意分野を活かし、華々しい活躍を続けていくはずだ。

 嵐は活動休止前、活動終了前それぞれに、1年の猶予を設け、ファンに感謝を伝える機会を作っている。突然の解散発表後、ファンに会うこともなかった元祖国民的グループのSMAPと比べれば、嵐とそのファンはずっとずっと幸福な時間を共有することが出来るのではないだろうか。

 旧ジャニーズの中でもとびきりメンバーの仲がいいことで知られる嵐。仲良きことは美しき哉。コンサートツアーのチケットは争奪戦、間違いなし。

 どうせなら、テレビにも積極的に出演し、ワチャワチャと5人で仲良くしているところが見たいなあ、と。それがファンの願いです。

(こじらぶ/ライター)

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