ウミガメ食べてしのぐしかないガザの深刻飢餓…イスラエルが物資搬入停止で兵糧攻めに

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 現在、パレスチナのガザ地区はイスラエル軍の激しい攻撃にさらされ、連日数十人から数百人が殺害されている。だが、住民に「死」をもたらすのは兵器による攻撃だけではない。ガザへの物資搬入停止が3カ月目に入ったことで人々を襲っているのが、深刻な飢餓だ。

 現地のムハンマド・アルバトシさん(50)によると、イスラエルによる侵攻前は約70円ほどだったひと家族の1日分のパン代が約2300円まで高騰。肉はほぼ出回らず、あっても1キロ4万3000円以上もするという。

 侵攻前1人1日あたり1、2ドルでの生活を強いられていたガザの住民に、そんな金はどこにもない。ウミガメを食べて飢えをしのぐしかないような状況だ。小麦がやっと手に入っても、調理するガスも燃やせる木材もない。当初は家具の破片や本、服などを燃料にしたが、それも尽きている。「燃やせるものを探し歩くだけで数日かかる」と、避難生活を送るハムザ・スベータさん(23)は話す。

 地元紙「タイムズ・オブ・イスラエル」によると、スモトリッチ財務相は6日、ガザ住民を半年以内に「狭い場所に閉じ込め、残りの地域は完全に破壊する」とし、最南部の町ラファに設定した45平方キロの「人道地区」にガザ全土の住民を移住させると公言。これは紛れもない強制収容所化だ。ガザ地区は人口・面積ともに名古屋市(約232万人、326平方キロ)とほぼ等しい。当然、ラファに全住民は収まらない。移住を拒んだ人はテロリストとして掃討されるか、ガザを離れるかを迫られる。

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